戸愚呂弟「オレをA級妖怪に認定してくれないかねェ?」コエンマ「そう言われても……」
戸愚呂弟(最近町を歩いてると……)
通行人A「あ、B級が歩いてるぜ」
通行人B「ホントだ、B級だ」
通行人C「今日もオレンジジュース飲むのかな、あのB級妖怪」
クスクス… ハハハ…
戸愚呂弟(通行人からよく笑われるねェ……)
通行人が全員S級だったりして
戸愚呂弟(インターネット上でも……)
『B級妖怪「俺もこっちで強くなりすぎた」』
『あんだけイキってB級ってwww』
『人間やめて50年鍛えてB級止まりの妖怪がいるらしい』
戸愚呂弟「ぐぐぐ……」
戸愚呂弟「くそぉっ!!!」
筋肉は裏切らない
戸愚呂兄「どうした、弟よ」
戸愚呂弟「兄者……みんながオレのことをB級B級とバカにして……」
戸愚呂弟「特にインターネット上での扱いはひどいもんでねェ」
戸愚呂兄「フン、ネット上で他人を叩く奴なんざクズだ。気にすることはねえ」
戸愚呂弟(かくいうあんたは絶対ネットで荒らしとかするタイプだと思うがねェ……)
戸愚呂兄「さて、オレも掲示板でも覗くとするか」
>>5
ワロタ
これからまだのびしろがあるってことだから喜びそう
人に対する驚異度を霊界が勝手に決めてる
とかなら面目保てたけど結界とかいう明確な線引きがあるからな…
地獄に行くあの心意気見せてすぐにあれだもんな
とぐろチーム全員センス無さすぎ
戸愚呂兄「……」カタカタ
『皆さん、おはようございます』
『新しい住民の方ですね。よろしくお願いします』
『このスレにいると本当に癒やされますよ!』
戸愚呂弟「なんでこんな物腰丁寧なんだ!?」
戸愚呂兄「ネット上だと、ついこうなっちまうんだ。相手が見えねェからだろうな」
戸愚呂弟「普通、逆だと思うが……」
兄者がどんなスレ見てるか気になる
戸愚呂弟「とにかく、オレはこのままバカにされたくない」
戸愚呂弟「せめてA級妖怪になって、B級呼ばわりを卒業せねば……」
戸愚呂弟「妖怪のランク分けをしているのはいったいどこの誰だ?」
戸愚呂兄「オレもよく知らねェが、多分霊界じゃねえか?」
戸愚呂弟「よし……じゃあコエンマのところに行ってみるか」
わいはあえて強くならずに維持してた説推してる
戸愚呂弟「コエンマ」
コエンマ「おお、戸愚呂か。珍しいな、なんの用だ?」
戸愚呂弟「オレを……A級妖怪に認定してくれないか」
コエンマ「へ?」
戸愚呂弟「道を歩いていてもB級、ネット上でもB級とバカにされ、もう耐えられないのだ!」
戸愚呂弟「100%中の100%のオレなら、ギリギリA級に達してるような気がするし!」
コエンマ「うーむ、そう言われても……」
A級ってミノルくらい?
戸愚呂弟「頼む……!」
コエンマ「……」
コエンマ「分かった……チャンスをやろう」
コエンマ「本来、妖怪の階級は、“誰かに頼まれて上げ下げする”というものではないのだが……」
コエンマ「一週間後、お前にA級昇格試験を受けさせてやる」
コエンマ「それに合格できたら、A級妖怪に認定しよう!」
戸愚呂弟「感謝する……!」
どうせ落書き見たいな鬼の方が強いしどうでも良くね?
試験の日――
コエンマ「では、A級妖怪昇格試験を行う」
コエンマ「この四つの試験を受けてもらい、総合的な評価で判断する」
・体力試験
・妖力試験
・筆記試験
・面接試験
戸愚呂弟「結構ボリュームあるねェ……」ゴクッ
筆記あるのかよ
コエンマ「まずは体力試験だ」
コエンマ「このバーベルを持ち上げてもらう」
戸愚呂弟「分かった」
コエンマ「いっとくがとてつもなく重いぞ。さっきワシがやってみたら腰痛めた」
戸愚呂弟「ぬうんっ!!!」グンッ
コエンマ「おおっ、軽々と!」
コエンマ(ふ~む、腕力だけならA級妖怪の域に達しているのかもしれんな)
つーか普通に結界通れるかどうかが判断基準だろ
>>20
ただ結界通るためにD級まで妖力落とした北神はそのままの状態でS級相当の仙水倒した幽助に勝ってるからな
妖力だけで判断すると妖気と実際の戦闘力が全然関係なくなるから脅威度の階級付けも無意味になる
上げ下げするものではないのに試験とは
兄者がまともすぎる
コエンマ「続いては妖力試験だ」
コエンマ「この計測器で測るから、妖力を絞り出してもらいたい」
戸愚呂弟「はあああああ……!」
戸愚呂弟「ぬおおおおお……!」
戸愚呂弟「ぐぬぬぬぬぬ……!」
ゴゴゴゴゴ…
コエンマ(やはり妖力はそこまでではないな……B級上位がせいぜいだ)
コエンマ「続いて、筆記試験を行う!」
コエンマ「時間は60分……始めっ!」
問1
たかし君は60%の力を発揮すると、ビルを3分で破壊できます。
では、80%の力を発揮した時、ビルを何分何秒で壊せるでしょうか。
戸愚呂弟「なかなか難しいねェ……」
>>24
ワロタ
コンコン
コエンマ「どうぞ」
戸愚呂弟「失礼します」
コエンマ「では、席におかけ下さい」
戸愚呂弟「……」スッ
コエンマ「それでは面接試験を始めます。まず初めに、A級妖怪に昇格したい動機をお答え下さい」
戸愚呂弟「はい、私は弟子を殺された罪の意識から妖怪へと転生し……」
…………
……
A級とか誰が判別してんの?認定証とかもらえんの?
コエンマ「以上で面接試験は終了です。お疲れ様でした」
戸愚呂弟「ありがとうございました」
コエンマ「合否の結果につきましては、後日郵送で連絡を差し上げます」
戸愚呂弟「分かりました。よろしくお願いします」
コエンマ「では退室なさって下さい」
戸愚呂弟「本日はありがとうございました。失礼いたします」
バタン…
戸愚呂弟「ただいま」
戸愚呂兄「試験はどうだった?」
戸愚呂弟「やるだけのことはやった……後は結果を待つだけだ」
戸愚呂兄「合格できるといいな」
戸愚呂弟「ありがとう……兄者」
陣「郵便だべー!」ビュオオオオオッ
戸愚呂弟「……」ドキドキ
戸愚呂兄「ど、どうだった?」
『戸愚呂(弟)殿 コエンマの名において、貴殿をA級妖怪に認定いたします』
戸愚呂弟「やったーっ!!!」
戸愚呂兄「よかったな!」
真面目か
左京「おめでとう、戸愚呂」
鴉「フッ……ずいぶん遠い存在になってしまったような気がする」
武威「……」ニコッ
戸愚呂兄「ヒャハハハ、さすがオレの弟だァ! これで兄であるオレの名声も高まるってもんだ!」
戸愚呂弟「みんな、世話ばかりかけちまったな……」
左京「では、オレンジジュースで乾杯だ!」
カンパーイッ!
戸愚呂弟(これで……オレをバカにしていた連中もオレを見直すことだろう)グビッ
所詮A
仲良いな
S級でもピンキリあるんだしなあ…
ところが――
戸愚呂弟「……」スタスタ
通行人A「あ……A級妖怪の戸愚呂だ」
通行人B「A級になったらしいけど、ちょっと残念だな」
通行人C「そっか、A級になっちゃったのか……」
ハァ… フゥ…
戸愚呂弟「……え?」
強い妖戦士田中でもS級になれるんだからあんまり差は無いんだろ
戸愚呂弟「……」カタカタ
『【悲報】戸愚呂弟さん、A級妖怪になってしまう…』
『戸愚呂弟がA級になってガッカリしてる奴の数→(1001)』
『A級妖怪戸愚呂アンチスレpart662』
戸愚呂弟(インターネットでも……何故だ!?)
戸愚呂弟(見直されるどころか、かえってガッカリされてる……!)
コエンマ「ふーむ、それはだな……」
コエンマ「人々はお前がB級であることをバカにしてるように見えたが……」
コエンマ「心の中では“お前ほど恐ろしく強い妖怪でもB級”であるという事実に驚き」
コエンマ「そのギャップに魅力を感じてもおったのだ」
コエンマ「だから、お前がA級になってしまうと……そういう意外性がなくなってしまうのだ」
戸愚呂弟「魅力がなくなってしまうわけか」
コエンマ「だが気にすることはあるまい! お前は正式に試験をクリアしたのだから!」
戸愚呂弟「……」
戸愚呂弟「いや……」
テレビ『先日、戸愚呂弟さんがA級認定されたと報道されましたが……』
テレビ『霊界のコエンマ氏から、やはりB級のままだったと発表されました』
「なーんだ、そうだったのか」
「よかったー!」
「戸愚呂はB級でないとな!」
「ホッとしたよ!」
「戸愚呂最高! 戸愚呂バンザーイ!」
コエンマ「……本当によかったのか?」
戸愚呂弟「ああ……これでいいんだ。これでもサービス精神はある方なんでねェ」
戸愚呂弟「オレがB級妖怪の方が皆が楽しめるんなら、そうした方がいい」
戸愚呂弟「オレは永久に……B級だ!」
おわり
ふーんA級のエンターテイメントだな
乙
戸愚呂はインフレの犠牲者だけどいい敵キャラなのは間違いないもんな
乙
確かに公式でA級でした!よりもネットで実はA級くらいあるよなって言ってる方が楽しいな
おつ
永久(A級)に……B級だ!←これ言わせたかったんだろ
ビル壊す話の人?あれどうなった?
コメントフォーム
【コメント欄の仕様について】
「>>、>、>>、>、#、#レスNo」で記事本文の各レスへのポップアップ付きアンカー(リンク表示)が飛ばせます。
また、「米、※コメントNo」でコメント欄へのポップアップ付きアンカー(リンク表示)が飛ばせます。
(「返信」リンククリックで投稿フォームに生成されます)
例
記事本文レス3に安価する場合: >>3、>3、>>3、>3、#3、#3
コメント欄21に安価する場合: 米21、※21